ハーデス編1

 「アッ、ムウ様が帰ってきたあ!」

 中国とインドの国境に広がるヒマラヤ山脈の中でも、山の民チベット族でさえ恐れて近づかないといわれる魔境の地、ジャミール。

 岩山の上に聳え立つ五重塔から、赤毛の少年が顔を覗かせて叫んだ。見ると、黄金に輝く鎧を纏った青年が塔へと近づいてくる。長い黒髪を背中で束ね、眉をそり眉間に二つ点を描いた、どこか神秘的な雰囲気を漂わせる若者だ。その輝かんばかりの黄金の鎧は、首周りに大きな羊の角を象っている。――アテナの黄金聖闘士牡羊座のムウである。

 ムウは、館の側まで来ると忽然と姿を消した。館の中へ瞬間移動したのだ。部屋では先程の少年と、一人の少女がムウの帰りを待っていた。二人とも緊張の色を浮かべ、無言でムウの言葉を待っている。ムウは、少年に目をやると静かな口調で言った。

 「貴鬼、4対の青銅聖衣をここへ――」

 貴鬼と呼ばれた少年は力強く返事をすると、ポンと音を立てて最上階へと姿を消した。

 雨水が、仕切りの無い窓から降り込んでくる。その雫が床に跳ねる様を、少女は伏せ目で見つめた。美しい、見る者全てを魅了するような赤い瞳だ。その瞳から漂ってくるものなのか、部屋の中は甘い香りで満ちている。ムウは目を閉じた。暗闇に悲しげな花の姿が浮かんだ――

 再び貴鬼が戻ってきて、4つの大きな箱を無造作に並べた。

 「ムウ様、ペガサス、ドラゴン、キグナスアンドロメダの4体の聖衣、持ってきました。」

 「ウム・・・。貴鬼、それを五老峰へ持っていきなさい。必ず彼らは現れる。これらをしかと渡すのですよ。」

 貴鬼は、大きな瞳を輝かせて頷いた。そして箱の上に手をかざすと、精神を集中させ始めた。

 「キ、貴鬼・・・!」

 不意に、それまで押し黙っていた少女が呼び止めた。貴鬼は少し切なそうな顔をすると、振り向いて笑みを浮かべた。

  「行ってくるよ、フィオナ。」

 そう言い残すと、一瞬にして貴鬼は姿を消した。4体の青銅聖衣と共に――。

 「貴鬼・・・!」

 フィオナは白いスカートの裾を握り締めた。そして再びうつむくと、床に躍る雨水の雫がにじんで見えた。

 暫しの間、沈黙が流れた。フィオナの弱弱しい呼吸だけが、雨音を縫って聞こえてくる。

 ムウは額から伝い落ちた雨水を手でぬぐうと、おもむろに口を開いた。

 「・・・私はまた、サンクチュアリに行かなくてはなりません。フィオナ、あなたはここで留守をしていてもらえますか。」

 フィオナの胸に垂れた柔らかな三つ編みが、かすかに揺れた。

 「は・・・・い・・。」

 だが、白い蝶は軌跡を描きながらムウの腕に止まった。行かせまいと、フィオナが止めたのである。

 「フィオナ・・・」 ムウは栗色の頭を見下ろした。

 「フィオナ、聞こえますか。あの雷鳴が。今、世界中は水没の危機にひんしている・・・。海皇ポセイドンが、地上を滅ぼそうとしているのです。聖闘士はそれを阻止する義務がある。わかりますね?」

 「・・・・・。・・・・あんな・・・あんな小さい貴鬼までも行かなくてはならないなんて・・・。どうしても・・・どうしても行かなくてはならないのですか、十二宮に。」

 ムウは、雪のように白いフィオナの腕を掴んだ。意外にあっさりと手ははがれた。

 「黄金聖闘士は十二宮に来るよう招集がかかっているのです。それに背くわけにはいかない。いいですね、私がいない間、この館を頼みましたよ。」

 マントを翻して、ムウはその場から消え去った。が、1秒も立たないうちに、再び部屋へ舞い戻った。

 両手をかざすと、空中からフィオナが落ちてきた。瞬間移動しようとした刹那、追いすがったフィオナが途中で振り飛ばされたのだ。

 「フィオナ!!」 その体を抱きとめると、ムウは語気を強めた。

 「何度言ったらわかるのです。私は行かなくてはなりません! そして、あなたをサンクチュアリに連れて行くこともできないのです。あなたはここにいるのです、フィオナ! 私は暫く十二宮を動けないと思うが、そう長くないうちに貴鬼が帰ってきます。さあ、離れて―――」

 ぱっと、赤い花びらを散らせて、フィオナがムウの胸にすがりついた。急なことにムウは一歩たじろいだ。

 「い・・・や! いやです・・・ ムウ様・・・!」

 「フィ・・オナ・・・」

 「いつかおっしゃいましたね。いつまでもここにいて欲しいと・・・ 共に貴鬼の成長を見守って欲しいと!なのに・・・ なのに、その貴鬼を遣わせ、そしてあなたまでこのジャミールを去ろうというのですか!行かないで・・・ どうか、行かないでくださいませ、ムウ様! ・・・一人は嫌です!」

 フィオナの薄い背を支えるムウの手が、行き場無くさ迷った。ムウはフィオナを立たせると、静かに肩に手を置いた。

 「何も、二度と帰ってこないというわけではないのです、フィオナ。貴鬼も、星矢たちに聖衣を渡せばすぐに帰ってくるはず。この闘いが終わるまで―― 地上の平和を取り戻すまでの辛抱ではありませんか。大丈夫、アテナはポセイドンなどに負けはしません。必ず勝利を収めて帰ってきます。そうしたら、また、この地で暮らせます・・・。」

 「・・・誓えますか・・」

 「・・・・・。」

 「必ず、またこのジャミールの地で暮らせると、誓えますか。あなたは聖闘士としての使命を第一として、新たな戦いが始まれば真っ先に出陣なさるのでしょう。そして、アテナの為ならば、地上の為ならば進んでその命を捨てる覚悟でいるのでしょう。

  ムウ様・・・。――ならば何故、あのようなことをおっしゃったのですか・・・。私をぬか喜びさせるようなことを、どうしておっしゃったのです!私はやっと信じたのです。心を許したのです。・・・・あなたをお慕い申し上げたのです!」

 黄金聖衣の滑らかな表面を、熱い雫が伝った。ムウは、フィオナの肩に置いた手を背中に滑り落とした。そして強く抱き寄せた。

 「行かないで・・・ 留まってください、ムウ様・・・! フィオナのために・・・! 反逆の罪にかけられるというのなら、この世界のどこへでも共に逃げてください! 嫌です、嫌なんです! もう失うのは!! もうたくさんなんです!! ・・・お願いっ!! あなたは聖闘士である前に、一人の男性ではありませんか!」

 「――そうです、私は牡羊座のムウである前に、ジャミールのムウ・・・ そして、・・・フィオナという、一人の女性を愛する一人の男です・・・。そう、そうでありたい。できるものなら、どこかサンクチュアリの手の及ばぬところで静かに暮らしたい。記憶の限り、幼い頃より俗世から引き離されたこのムウにとって、あなたという存在は輝かしかった。私も、人並みの幸福を得ることができるのかもしれないと思った。」

 「できますっ・・・! 作るのです、手に入れるのです、未来を! 幸福を!」

 「・・・だが、私はやはりそれ以前に、聖闘士という宿命の下に生まれた人間。アテナでさえも、普通の少女としての生き方を捨てたのです。それに従うべき聖闘士が、どうして、己の私情のためだけに義務を放棄することができましょう。そして、その聖闘士が戦わずに、一体誰がこの地上を守るのでしょう。

  ・・・個人の幸せは、大衆の幸せと同じくらい重い。本来ならば、一つの幸せをも犠牲にしてはならない。ですが、フィオナ・・・。私たちの幸福の後ろには、数え切れない人々の幸せと平和がかかっているのです。私はやはり、それらを無視することは出来ません。

  だが、これだけは誓おう。私はこの先、どのような形にしても、常にあなたと共にいる。決して離れはしません。」

 「ムウ様・・・!」

 「愛しています、フィオナ・・・」

 ムウは、静かに口づけをした。フィオナの瞳から、一筋の涙がこぼれた。

 そして、優しい残像を残してムウは姿を消した・・・。

 「ああ・・・・」

 フィオナは悲しみの前に跪いた。

 「あなたが聖闘士でなかったら・・・! 私が、魔女という呪われた運命の下に生まれていなかったら!!」



 数多の星座が、今夜も十二宮に降り注いでいる。

 あの日から、もう10日余り。アテナとポセイドンとの聖戦は、アテナの勝利に終わり、世界には再び平和が戻っていた。

 だが、サンクチュアリは違った―――。黄金聖闘士はおろか、世界中の聖闘士が集められ、厳重な警戒態勢がしかれている。幾重にも張られた結界を雑兵が巡回し、ねずみ一匹入り込む隙も無い。

 ムウもまた、長い間白羊宮を離れていない。アテナの帰省後、吹きさらしの宮の中で日が昇るのを眺め、うららかな春の空を仰ぎ、柱と柱の間にきらめく星々を見上げた。五老峰の老師の命でこの十二宮を守っているが、ポセイドンとの戦いが終わった後、このサンクチュアリには何ら暗い影も見当たらない。居眠りをする雑兵も日に日に増えた。

 ムウは横になった。巨大な石造りの柱の上に、果てしない宇宙が広がっている。

 ふと、隣で息遣いが聞こえるような気がした。ジャミールで、フィオナとよく星空を眺めた――。

 あの、静かなひと時。ヒマラヤの澄んだ大気に、二人ぽっかりと浮かぶ安らぎ。

 ムウは、星を撫でるように空へ手を差し伸べた。そして、強く拳を握り締めた。

 ――今度の闘いでは、聖闘士の大半が死ぬことになるだろう。 ムウは瞳を閉じた。ジャミールに残してきたフィオナを想う。別れ際に見た、花びらから滴り落ちるような、美しい涙を想う。悲しい悲鳴を思い出すたびに、ムウの胸は激しく痛んだ。

 あの日―― 十二宮で、黄金聖闘士と青銅聖闘士との闘いが繰り広げられたあの日。こうして白羊宮に腰掛けていたムウの下に、教皇の間に仕えていたフィオナが、食事を運んできたのがそもそもの出会いだった。フィオナは、この世のものとも思えぬ妖艶さを漂わせていた。迂闊にも、ムウの心は魅了された―― おそらく、他の黄金聖闘士たちも同じだったろう。

 フィオナは、現代に甦ったただ一人の魔女だ。見る者全てを魅了するその魔力は、全ての感情を超越した黄金聖闘士でさえも、眼を背けることが出来ないくらい強烈なのである。

 だが、ムウは、その姿に幾たびか春の陽光を見た。母性的なあたたかさを感じた。そして何よりも、奥深いところに隠された、凍てついた孤独に、包み込みたくなるような可憐さを覚えたのだった。

 ――行かないでください!!

 フィオナは何よりも孤独を恐れている・・・。誰かを想い、そして、亡くしてしまう悲しみを知っている。

 ムウが実際にそれを目の当たりにしたのは、カミュの死であった。フィオナはカミュを想っていた―― 12時間ずっと、ひたすらカミュの無事を祈りつづけていた。

 カミュの死を悟った時の、あの悲しみよう。半ば気が振れたのではないかと思わせるほどの嘆きだった。それを思い出す時、ムウは、フィオナへの同情でもない、カミュへの追慕の念でもない、何かしらもやもやしたものを胸に感じる。2人に何があったのか・・・今は知るすべも無い。

 だが、一つだけ確かなことは、フィオナに再びあの苦しみを強いたという事だ。胸にすがって、サンクチュアリへ行くのを必死に止めたフィオナ。共に逃げて欲しいと、切に訴えたフィオナ。

 フィオナはあの暗い館で、一人泣き伏しているのだろうか? 孤独に、その命を絶とうとしているのかもしれない。それは、決して過剰な思い込みなどではなかった。現にフィオナは、カミュを救おうとその命を投げ出した。孤独よりも、愛する者を失う悲しみよりも、死を選ぶ少女なのだ。

 ムウは起き上がった。今すぐにでもジャミールへ帰ろうかと思う。そして、もう一度、しかとフィオナをこの胸に抱きたい。何なら、この白羊宮に置いたっていい。…――だが、そうできない自分が憎い。フィオナへの愛よりも、聖闘士としての使命を取った自分を恨めしいと思う。

 (明日、貴鬼をジャミールへ帰そう。) ムウはそう決めて、再び柱へよりかかった。

 一筋の流星が、ジャミールの方角へと流れていった。

 ――フィオナ・・・・

 ――許してください、フィオナ・・・。だが、私はあなたと共にいます・・・。例えこの身が滅びようとも、魂は決してあなたと離れはしません・・・。



 「貴鬼!」

 翌日の夕暮れ。白羊宮に姿を現した貴鬼は、ムウの叱りを受ける羽目になった。

 「白羊宮に来るようにと、朝からずっと呼びつづけていただろう。今までどこで道草を食っていたのです!」

 貴鬼は、小さい背を更に縮めてムウを見上げた。こんなに怒られることは滅多に無い。手を行き場無く背中でさ迷わせながら、いつもの何分の1かの声で貴鬼は答えた。

 「す・・・ すみません、ムウ様・・・。ちょっと、魔鈴さんと近くの村を周っていたものですから・・・。」

 「近くの村を・・・? 何故・・・ いや、いい。そのようなことは・・・。」

 ムウは静かに息をつくと、普段の眼差しで弟子の面を見下ろした。

 「貴鬼。ジャミールに帰りなさい。」

 「エ、ジャミールへ?」

 師の意外な言葉に、叱られた事も忘れて貴鬼は飛び上がった。

 「でも、聖闘士じゃないおいらも、このサンクチュアリを守らなくちゃいけないって・・・。猫の手も借りたいって言ってましたよ。何でジャミールなんかに・・・。」

 「・・・フィオナが一人でいる。」

 貴鬼ははっとした。この十数日、フィオナのことを忘れていたわけではない。だが、星矢たちと共に海底神殿で戦い、聖闘士たちと共にサンクチュアリを守るよう言い渡されて、使命に燃えていたところなのである。フィオナのことは、全てが終わった後、大手を振って戻った貴鬼を、笑顔で迎えてくれるだろうくらいにしか考えていなかった。

 貴鬼は、ムウの顔をもう一度見上げた。憂いを含んだムウの瞳が、一段と今日は曇っている。ムウはうつろに目を細めて続けた。

 「もう長い間フィオナは一人だ。特に、お前の身を案じていることだろう。貴鬼、帰ってフィオナに無事を知らせてあげなさい。そして、フィオナをこの白羊――」

 ムウは思い直した。この事態に私情をはさむとは、聖闘士にとってあるまじき行為だ。十分心得ているはずなのに、何を考えているのか・・・。

 決め時だ。ムウは次第に訪れる闇を見据えた。

 「――そして、お前はもうサンクチュアリに来なくていい。ジャミールで、フィオナの側にいてあげなさい・・・。」

 貴鬼の大きな瞳に、ムウが浮かび上がった。今、この時の師の姿を、その角膜に焼き付けるように。

 不意に、水面に波が立ったようにその像が歪んだ。ムウは、その瞳を静かに見下ろした。

 「いいですね、貴鬼。」

 こっくりと貴鬼は頷いた。その拍子に、大きな水滴が音を立ててこぼれ落ちた。ムウは優しい笑みを浮かべ、数歩進み出て貴鬼の頭に手を置いた。貴鬼は、火がついたようにムウの腰にしがみついた。

 「でも、でもっ・・・! フィオナはやっぱりムウ様がいないと寂しがると思うから、きっと帰ってきてくださいね。ね、きっと。約束してください、ムウ様!」

 「何を泣く貴鬼。私はアテナの聖闘士なのだぞ。気掛かりなことを抱えて、正義のためになど戦えるか。良いですね、フィオナを・・・ 頼みましたよ。」

 そう言うと、ムウは小さな体を突き放した。だが、貴鬼は甘えを拒絶された子供の様に鼻をすするばかりだ。

 ムウは白羊宮を見上げた。遥か遠い日に、身に余る黄金聖衣を纏ってこの宮を見上げた自分を思う。師を亡くし、一人生きていく運命を抗うことなくただ受け入れた、7歳の自分の姿を。

 貴鬼には、聖闘士としての宿命のみに縛られるのではなく、もっと人間として多くの可能性を秘めた聖闘士に育って欲しい――

 いつか、ジャミールでフィオナに語った言葉だ。人の愛情を受け、多くの物を見、喜び、傷つき、誰かを愛し・・・。そして、死ぬ時に豊かな人生を振り返る。

 ムウは、貴鬼に自らの姿を手本とさせたくない。俗世から離れ、多くの事に目をつむり、耳をふさいできた。人は超越したと言う。だが、超越したはずの、背を向けてきたはずのものに出会った時、自分の中の人間としての脆さと、その真の価値に気付いた。それを守るための戦士でありながら、それが何かを知らずに生きてきた過去。そして知ることが出来た時、それを守りたいと思った時・・・・。

 私は、人を不幸にしかしないのかもしれない・・・。背後で貴鬼が流す涙に誘われて、ふと、ムウの頬を熱い雫が伝った。自分を一人の人間として必要とする女性には孤独を与え、弟子には自分と同様、師を失う試練を味わわせることになる。

 だが―――・・・

 ムウは踵を返すと、頭を垂れる貴鬼の肩を掴んだ。

 「お前は私が守る・・・。」

 「・・・え?」 貴鬼は青い目をぱちくりさせた。

 「お前の未来を守ることが師として、そして、共にお前の成長を見守ろうと誓い合ったフィオナへ、私ができるせめてもの罪滅ぼし。迷いは晴れた。強く生きるのだぞ、貴鬼。」

 貴鬼は、ムウの言葉の意味がわからず聞き返そうとした。だが、その時にはもう、貴鬼の体はジャミールへと天高く放り出されていた。

 「ムウ様ああぁぁぁぁぁぁ――――――――――っっっっ!!!」

 何千という星々が、体の横をすり抜けていった。まるで、宇宙の起源から時空を越えて旅をしているように、その時間は長く、終わり無いものに感じられた。

 不意に、目の前を、光り輝く黄金の羊が疾風を起こして飛び去っていった。貴鬼の目からこぼれた涙が、その姿を追うように遠くへ遠くへと流れていった・・・。

 宇宙が遠ざかり、黒雲を突き抜けると、ジャミールの大気が天から落ちてきた申し子を優しく抱きとめた。そしてゆっくりと、館の方へいざなっていく。この子がこの先、全てを分かち合うだろう女性の元へと・・・。

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